認知症とは

「最近、親の物忘れが増えた気がする」「同じことを何度も聞かれて対応に困っている」——そんなお悩みはありませんか?
認知症は早期に発見し、適切なケアや治療を行うことで、進行を遅らせたりご本人やご家族の生活の質(QOL)を保つことが可能です。

認知症とはどのような状態?

認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態を指します。主な種類として以下の4つが挙げられます。

  • アルツハイマー型認知症(最多)
脳神経が変性・萎縮する病気。もの忘れから始まり、ゆっくり進行します。

  • 血管性認知症
脳梗塞や脳出血などが原因。障害部位により症状が異なり、一部の機能が保たれる「まだら認知症」や階段状の進行が特徴です。アルツハイマー型との合併も多く見られます。

  • レビー小体型認知症
現実には見えないものが見える「幻視」や、手足の震え・小刻み歩行などの「パーキンソン症状」があらわれます。

  • 前頭側頭型認知症
スムーズに言葉が出ない、感情の抑制がきかなくなる、社会のルールを守れなくなるなどの症状があらわれます。


若年性認知症について
65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」と呼びます。若くても脳血管障害やアルツハイマー病などにより発症する可能性があります。

注意したい認知症のサイン・症状

認知症の症状は、脳の障害によって直接起こる「中核症状」と、本人の性格や環境が影響して起こる「行動・心理症状(BPSD)」に分けられます。

【 認知症の中核症状のサイン 】
記憶障害:
数分〜数時間前の出来事を忘れる、同じことを何度も言う・聞く、買い置きがあるのに同じものを何個も買ってくる、大事な約束を忘れる。

時間・場所の障害(見当識障害):
日付や曜日がわからない、慣れた道で迷う、出来事の前後関係が分からなくなる。

理解力・判断力の低下:
貯金の出し入れや手続きができない、テレビの内容が理解できない、車の運転でミスが増える。

実行機能の低下:
料理の味付けを間違える、掃除・洗濯が途中で止まる、季節に合わない服を着る、入浴や洗面の仕方が分からなくなる。

【 行動・心理症状(BPSD)のサイン 】
感情・気分の変化:
一人になると激しく怖がる、憂うつで好きなことにも興味を示さない、些細なことでイライラして怒りっぽくなる。

知覚・思考の異常:
誰もいないのに「人がいる」と言う(幻視)、「物を盗まれた」と家族や周囲を疑う(もの盗られ妄想)。

行動の異常:
外出しても目的地や帰り道を忘れて迷子になってしまう。

認知症の手前「軽度認知障害(MCI)」とは?

日常生活に大きな支障はないものの、年齢以上に記憶力などの認知機能が低下している状態を軽度認知障害(MCI)といいます。
特徴:
本人や家族が「以前より物忘れが増えた」と自覚しているが、日常の自立生活は送れている状態です。

早期対応の重要性:
MCIの方の約半数は5年以内に認知症へ移行すると言われていますが、この段階から予防的活動や専門的なアプローチを開始することで、進行を遅らせることができる可能性があります。
(参照:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」)

三恵病院における認知症治療・ケアの特徴

当院では、患者さまとご家族が「自分らしい生活」を長く続けられるよう、多様な医療・介護サポートを行っています。

1.多職種チームによる手厚いサポート
医師、看護師、精神保健福祉士(ソーシャルワーカー)、作業療法士、薬剤師などが連携し、お一人おひとりの状態に合わせた治療プランをご提案します。

2.「カンフォータブル・ケア」の導入
当院の認知症治療病棟では、心地よい刺激と関わりを通して患者さまの不安や精神症状(BPSD)を和らげる「カンフォータブル・ケア」に取り組んでいます。カンフォータブル・ケアに関する詳しい説明は こちら 。

3.ご家族を支える「レスパイト入院」
「介護疲れで倒れそう」「冠婚葬祭や旅行で一時的に自宅を空ける」といった際にご利用いただける短期入院制度です。介護者の健康を守ることも、大切な認知症治療の一環と考えています。レスパイト入院に関する詳しい説明は こちら 。

よくあるご質問

Q. 本人が「病院に行かない」と拒否する場合はどうすればいいですか?
A. まずはご家族だけで医療相談室にお越しいただくことも可能です。

Q. かかりつけ医(内科等)で認知症の薬をもらっていますが、受診できますか?
A. もちろんです。「お薬を飲んでいてもイライラや暴言がおさまらない」「介護抵抗が強くて困っている」など、専門的な精神科ケアが必要なタイミングでご相談いただくケースが多くございます。

Q. 精神科病院に入院すると、ずっと出られなくなるのではと不安です。
A. 当院では、症状の改善と安定を図り、「住み慣れた地域やご自宅へ戻ること(早期退院)」を目標としています。地域のケアマネジャーや関連機関と連携して退院後の体制も整えます。

「もしかして…」と思ったら、一人で悩まず当院にご相談ください

認知症は、「早期発見・早期対応」がご本人とご家族の負担を大きく減らします。

「精神科を受診するのはハードルが高い」「認知症かどうか分からないのに相談していいのだろうか」と躊躇される方も少なくありません。当院では、受診前の不安を和らげ、ご家族と一緒に最適な治療やサポートを考える体制を整えています。

「物忘れが増えた気がするけれど、受診すべき?」
「家族が受診を拒否していてどうすればいいか分からない」

このような段階でも構いません。まずはご遠慮なく当院の相談窓口へお問合せください。

【 お問い合わせ・相談窓口 】

医療相談室直通・・・・・042-391-3045

月~土 9:00~17:00 (年末年始・日曜日・祝日は除く)

つながりにくい場合・・・・042-391-3035(代表)