• カンフォータブル・ケア
  • カンフォータブル・ケアの実施団体会員になりました

    当院は、認知症の患者さまへ質の高い医療・看護・リハビリテーションを提供するために、 病院全体でカンフォータブル・ケアに取り組んでおり、令和6年度よりカンフォータブル・ケアの実施団体会員となりました。 今後も更なる質の向上に努めてまいります。

    カンフォータブル・ケアとは

    カンフォータブル・ケアは、認知症の方とかかわる際に、心地よい刺激つまり「快刺激」を中心にかかわるケア技術です。 カンフォータブル・ケアは日本の認知症ケア現場で研鑽を重ね生まれた、日本発の認知症ケアメソッドです。 そのため日本の認知症ケアの現場に適した方法で無理なくケアを行うことができます。

    なぜ「快刺激」が重要か

    人間にはストレスなどの「不快刺激」を感じると、脳が危機回避のシグナルを送り、 危機回避行動である「逃走」あるいは「闘争」の反応が起こる機能が備わっています。 普通は不快刺激への反応は理性が抑制しているので、行動や言動に現れずに済んでいます。
    ところが認知症にり患すると、感情や行動をつかさどる脳の機能が低下します。 そのような状態で「不快刺激」を受けると、「逃走」「闘争」反応である 暴言、暴力、抵抗、不穏、興奮、不安などの周辺症状が現れやすくなります。
    認知症が進行してくると、言語の理解、状況の判断機能も低下します。 そのため、私たちが何気なく行っている行為や、言動を「不快刺激」と感じることもあるのです。

    だからこそ、できる限り「不快刺激」を避け、「快刺激」を中心にかかわることが必要なのです。 そして、「快刺激」を中心にかかわることを技術化したのが、カンフォータブル・ケアなのです。

    カンフォータブル・ケアの10個の技術

    カンフォータブル・ケアには、認知症の方との円滑なコミュニケーションを行うための技術が多く盛り込まれているため、 実践することで情報受信・発信能力障害に起因する認知周辺症状を緩和する効果があると考えられています。
    カンフォータブル・ケアは、認知症の方とのかかわりの際に以下の10項目を意識し、実践します。
    1. 1 常に笑顔で対応する
    2. 2 常に敬語を使う
    3. 3 相手と目線を合わせる
    4. 4 相手にやさしく触れる
    5. 5 相手をほめる
    6. 6 こちらから謝る態度を見せる
    7. 7 不快なことは素早く終わらせる
    8. 8 演じる要素を持つ
    9. 9 気持ちに余裕をもつ
    10. 10 相手に関心を向ける
     

    人としての尊厳を尊重するケア

    認知症の方は疾患の進行過程で、いままでできていたこと、覚えていたこと、わかっていたことを忘れてしまい、できなくなっていきます。 自分が自分であるための大切な思い出や、人とのつながりも忘れていきます。

    しかし、人は「こういうことをしてほしい、こういうことはされたくない」という感覚は認知症にり患しても変わりません。 カンフォータブル・ケアを実践することは、人としての尊厳を尊重することにもつながります。

    スタッフのモチベーションも向上

    カンフォータブル・ケアを看護の現場に導入することで、認知症の周辺症状が緩和されていきます。 対応が困難だった認知症の方が笑顔を見せてくれるようになると、自分の行ったケアが役に立っていると実感できます。
    カンフォータブル・ケアは、認知症の方がイキイキと生活を送れるようになれるだけでなく、 ケアを行うスタッフと認知症の方の人間関係を円滑にし、スタッフのモチベーション向上につながるのです。


    (参照:認知症介護をするすべての人のためのカンフォータブル・ケア 著 南敦司 精神看護出版  及び 特定非営利活動法人カンフォータブル・ケア普及協会ホームページ)
    特定非営利活動法人カンフォータブル・ケア普及協会のホームページはこちら

    特定非営利活動法人カンフォータブル・ケア普及協会